COLUMN

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公的年金について③ー近況ー

過去のコラムで触れました2019.5.22の金融庁の報告書(案)についてですが、6.3に新たに修正され正式な報告書として公表されました。

そこでは公的年金だけでは足りないといったことについての内容がかなり削除されたものへ修正がなされている点も含め、これらをうけ6.10全閣僚出席の参院決算委員会では蓮舫議員が安部総理はじめ麻生金融担当相や金融庁に対し厳しく追及を行こととなり、その後その場面が各メディアで連日報道されることとなりました。

公的年金は100年安心と答弁する安部総理に対し、蓮舫議員は「どこが安心なのか?」と。

公表された報告書を読んでいないと答弁をする麻生金融担当相に対しては、「5分で読めるものを読んでないって、国民をなめているのか?」と。

そこで老後の生活資金が2000万円足りないという報告書の内容について「誤解を招く不適切な表現」だという麻生金融担当相に対し、「一体なんの誤解だというのか?あなた自身が不適切だ!」と。

激しい論調で口撃されていました。

さらに、「金融の在り方について審議しただけであって年金制度の在り方について審議したものではない」という金融庁に対しては、「いずれにせよその審議内容が公的年金だけでは足りないという前提のもとに行われたものだということをなぜ次の報告書の内容を変えて隠そうとするのか?」と。

そしてさらに、老後2000万円足りないことに加え医療介護費用平均約1000万円、持ち家リフォーム費用平均約400万円も考える必要性に触れた最初の報告書の内容については、「人それぞれの話なので全国民に当てはまらない訳です」という答弁もありました。それって当てはまる人のほうが多くないですか?とツッコミを入れた視聴者も多かったのではないでしょうか?

(結局、平均3400万円足りない可能性を考慮しなければならないと金融庁で集まった有識者は考えているということでしょう。)

麻生金融担当相はこれに関しこうも言ってました。

「2000万円足りない人もそれぞれなので全員がそうではない」と。

それでは、「足りている人がどれだけいるのか?」という蓮舫議員の質問に対しては、「詳しいデータがない」と答えるのがやっとの様子でした。

(それでは、金融庁の公表したデータは一体どう考えるのか?と言いたいところですが、その報告書を読んでないということでしたのでここではこの答弁は無視したほうが良さそうです。)

(後に、麻生金融担当相はこの報告書の受け取りを拒否することで事なきを得ようとしますが、その後も騒ぎは続くこととなりました。)

 

この委員会での質問で蓮舫議員は、「なぜ国民をそうまでして欺こうとするのか?」という論点で終始激しく言葉をぶつけていました。

 

最低でも2000万円足りない。

もっと働け。

もっと考えて金融資産を増やしなさい。

 

国民にこう示した金融庁の報告書を踏まえ、マクロ経済スライド導入で100年安心と豪語する安倍総理に関しても、いささか説明の不備と不安の残る質疑応答だったような印象でした。

賦課方式を採用する今の公的年金がマクロ経済スライドの導入によって破綻することはないという理由はわかります。

しかし、それは老後公的年金に頼り充分に安心して生活していけるという説明としてはいささか不十分なのではないかという気がしてなりません。

問題とされる「足りない」という金融庁の報告書を「誤解だ」というならば、それではなぜ「足りる」のかという理由についてはほとんど説明がなかったように思います。

安倍総理がいうのは、年金制度そのもの自体が破綻せず持続可能なだけの安心であって、国民1人1人の老後生活が安心だということでは決してないのだろうという実感がさらに湧いた質疑応答だったように思います。

先般の報告書で一瞬垣間見えた金融庁の本音が今の公的年金の実情であり、我々国民はこれを真正面から受け止め各家計単位で長い目で将来を見据えどうすべきかをもっと真剣に考えなければならないのではないかともあらためて思いましたが、皆様はどうお考えになられますでしょうか。

今年は5年に一度の年金財政検証の年です。

安部総理らの言う100年安心年金制度維持のために所得代替率をどう見積もり、国民に対し保険料と受給額についてのバランスをどう説明するのか気になります。

その公表を参院選後にしようと政府はわざと遅らせているのではないかと蓮舫議員は指摘しておりましたが、選挙に不利になるような内容が財政検証で出てくることになるのでしょうか。

果たして…。